当店の焙煎・衛生管理


こんにちはF1と珈琲大好きハッピーサトです^^!

当店「あしたも焙煎」は完全受注で自家焙煎を行っておりますが、「どのように焙煎衛生管理をしているのか」という部分を詳しく紹介させて頂きます。

お客様と対面しての接客・焙煎・販売が出来ない通販専門店の為、少しでも商品の安心感に繋がったらいいなと想っております。

文章や写真から「家でも珈琲焙煎って出来るんだ!」「生豆ってこんな色形してるんだ!」など、珈琲と焙煎の面白さも感じてもらえたら嬉しいです☆

「あしたも焙煎」の衛生管理

当店では自家焙煎珈琲を販売するために必要な、下記の資格取得や管轄保健所への営業届出を行っております。

資 格:食品衛生責任者
  (東食養2002303号 食品衛生責任者養成講習会)
届出先:東京都多摩立川保健所
区 分:コーヒー製造・加工業

前職では店舗内厨房でお弁当やサンドイッチの調理や衛生管理指導も行っていました。

珈琲は肉・魚・野菜のような完全な生モノではありませんが、厨房運営と同様の衛生管理を取り入れるとともに、そしてHACCPの考え方を取り入れた衛生管理を行っています。

HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書 (厚生労働省)

抜粋とはなりますが下記のような衛生管理を取り入れており、保健所に提出可能な管理表に記入管理・保管をしております。

体調(熱・咳など)・爪の長さ・手指の傷の有無チェック、作業場や調理器具の清掃、手洗い、キッチン帽子・マスクの着用、ミルの刃こぼれ等のチェックなど

このような資格・届出、衛生管理をもとに日々の焙煎業務を行っております。

「あしたも焙煎」の焙煎方法

当店では鍋を使ったハンドローストを行っていますが、鍋やフライパンとガスコンロやキャンプの焚火など容器と熱源があれば焙煎はどこでも可能です。

ざっくりとした焙煎の流れとしては「不良豆の除去」「焙煎」「チャフ除去・冷却」という感じです。

それでは実際に、皆様にお届けする焙煎豆がどのように仕上げらているのかを紹介致します。

不良豆・異物の除去

生の珈琲豆

珈琲の生豆は専門業者やアマゾンなどでも購入が出来ます。

当店では専門業者から豆を仕入れていますが、基本的には不良豆やゴミなどの異物除去のハンドピック作業が必要となります。

こちらは実際に除去した豆や異物の写真ですが、麻袋の繊維、石、木片、トウモロコシなどが稀に混入しています。

ハンドピックした不良豆や異物

上の写真の中央にある黒っぽい粒も実際に混入していた石です。

他にも、虫食い豆、カビ豆、未成熟豆、貝殻豆、パーチメント(硬い殻)、潰れ・欠け豆などが混ざると、香りや味の違和感・渋み・異臭、焙煎ムラの原因となるので除去します。

平ざるに生豆を広げて目視により不良豆・異物をハンドピックで除去、これを焙煎前に3ターン繰り返しています。

たまに混ざっているピーベリーという真ん丸の希少豆ですが、サイズがあまりにも小さい・大き過ぎないものならば当店では使用しています。

アイス「ピノ」でたまに混ざっている星やハート型の幸せのピノのような感じで「あ!まんまるピーベリー」見つけた!と小さなハッピーと思ってもらえたらと思います^^☆

焙煎作業

焙煎用の雪平鍋と、少量テスト焙煎用の煎り器

修業時代は胡麻や銀杏を煎るための小型焙煎鍋、深鍋、卵焼器、フライパン、網焙煎、回転ドラム(直火式)を使用してみたり、火加減や時間、熱源との距離なども色々と実験していました。

最終的には香りもコクもしっかりと引き出せた「雪平鍋+穴ありガラス蓋」での焙煎を採用して自家焙煎店をスタートしました。

実験を何度も重ねて条件出しをして、豆量や状況(色合い・蒸気量・香り・ハゼ音)に応じガス圧を変えながら鍋を煽って焙煎というスタイルで商品を作っています。

焙煎を行う豆の量によって焙煎鍋のサイズを複数使い分けています。

心地よい爽やかな酸味とは違う「酸っぱさ」「渋み」を出さないために、特に1ハゼまでの蒸らし、水分抜きの火加減・時間には気を遣っています。

また、焙煎度「浅煎り」のみハゼる前で焙煎を止めて冷却し、その後に2度目の焙煎を行うダブル焙煎を採用しています。

当店の焙煎度目安は下記をご参考にして下さい。

1ハゼ中1ハゼ後2ハゼ中2ハゼ後
焙煎度浅煎り
ライト/シナモン
中煎り
ミディアム/ハイ
中深煎り
シティ/フルシティ
深煎り
フレンチ/イタリアン
豆の色薄茶色茶色深い茶色こげ茶色
酸味強いやや強いやや弱い弱い
苦み弱い弱いやや弱いやや強い
焙煎指数1.101.151.201.25
あくまで当店での焙煎度基準、目安です

当店では基本的には「中深煎り」をおススメ焙煎度としております。

「中深煎り」は珈琲のもつ香味をバランスよく引き出せますし、酸味も抑えられるので、どなたでも飲みやすさを感じる焙煎度かと思います。

もしも珈琲豆ごとの個性・キャラクターをもっと楽しみたければ「中煎り」「深煎り」も試していただきたいです。

例えば、華やかな香りに特徴があるエチオピア産豆なら、「中煎り」の方がより香りが引き立ち爽やかな酸味が感じられます。

一方、目立った特徴が無いブラジル産豆でも、深煎りにすると大地が香るような重厚なボディーが引き立ちます。

焙煎度合いによって変身する豆の個性・化学反応も楽しんで頂きたいです^^!

ちなみに、生豆は焙煎すると内圧が高まり膨らみ、焙煎後は約1.5~2倍ほどの大きさに変身します^^!

冷却・チャフ除去

香り・音・色・照りを確認しながら、狙った焙煎度になったら火を止め(煎り止め)したらすぐに豆を冷却します。

急速に冷却する理由は、ハゼ後は豆の温度が200℃~230℃くらいになっているので余熱でどんどん焙煎が勝手に進んでしまうためです。

そのため放っておくと狙った焙煎度よりも進んで黒くなったり、冷却が不完全でも微熱により香味が抜けてしまいます。

当店では煎り止め後に平ざるに豆を広げ、大型サーキュレーターにより急速に冷却しています。焙煎量にもよりますが約30秒~1分弱で冷却が完了します。

また、冷却時の風圧で豆からチャフ(薄皮)を吹き飛ばし除去します。

豆によってチャフの量には差がありますが、下の写真は生豆1キロ焙煎時のチャフです。

ちなみにチャフはピーナッツの薄皮のようなもので珈琲豆・粉に混ざっても問題はありませんが、しっかり除去した方が雑味や渋みが抑えられます。

「あしたも焙煎」の発送の様子

焙煎完了した豆たちをすぐにアルミ製のお家(個包装の袋^^!)にお引越しさせます。

珈琲豆(特に粉の状態)は酸化や日光で香味が徐々に失われてしまうので、焙煎直後に日光を通さないアルミ袋にいれシーリング包装します。

新鮮なうちは特に珈琲豆から二酸化ガスが発生するので、袋は破裂防止でガス抜き構造(ブレスライン)の珈琲専用アルミ蒸着袋を採用しています。

最後に、食品表示法に基づいた品質表示とロゴのラベルを商品に貼り付けて配送BOXにおさめて発送準備完了です☆彡

2023年2月下旬からはラベルもグレードアップし、プリントパックさんで印刷・カットしてもらい始めたので美しいラベルに仕上がってます^^!

ラベルには賞味期限を1か月と設定していますが、自家焙煎でしか味わえない新鮮な珈琲豆本来の香味を楽しんでもらうため、挽いて粉にしてから1週間以内にお飲み頂けたら嬉しいです^^!

ちなみに23年2月下旬からは新たに調達したボンマック(ラッキーコーヒーマシン社)のコーヒーミルで挽いて粉にしています。

ミルにはブレード(プロペラ)式、コニカル式、ロール式などありますが、このミルはフラット式という1対のディスクの歯により粉砕するタイプです。

細挽き(パウダー気味)から粗挽きまで16段階で微調整が可能なので、粒度もしっかり揃っていて仕上がりが美しくなりました。

ちなみに、飲みきれない場合などは珈琲を袋に入れて冷蔵または冷凍で保管しても全く問題ありませんが、やはり粉の状態ではなく豆のままの状態での保管がベストです。

そして、冷蔵・冷凍庫から取り出した後はゆっくり室温に戻してあげてください。

急いで室温に戻そうとすると水滴が付くなどして豆が湿気って劣化しまい、雑味・渋みや異臭の発生、香味の抜けにつながってしまいます。

さいごに

最後までご覧いただきましてありがとうございます^^!

もしも喫茶店をオープン出来たら、焙煎教室なんてやってみたいんです。

自分で愛情を込めて焙煎した珈琲の美味しさは世界一に感じると思います。失敗したって、焦げたって、それでも我が子のような焙煎珈琲はきっと美味しくて驚きと笑顔にしてくれると思います。

僕が初めて珈琲焙煎した感動のように、1人でも多く同じ気持ちになってもらいたくて・・・

だから、その気持ちをいつまでも大切に、今日も、あしたも焙煎します☆