ドラム焙煎機を自作改造「直火式」から「半熱風式」へ

こんにちはハッピーサトです。

普段は片手鍋でお客様用の珈琲焙煎をしていますが、手回しの網ドラム焙煎器も所持しています。

重たい鍋を振る必要のないドラム焙煎はとっても腕が楽ちんで、煎りムラが発生しにくく見た目の仕上りが良いです。

一方で、終始ダンパー全開状態の直火式となる網焙煎は、どうしても個性の抜けた香味になり使うのをやめていました。

※プラスに捉えればクリア感があると言える

しかし使わず放置するのも勿体ない・・・

そこで30分ほどかけて半熱風式の焙煎器に改造してみました。

今回は市販の網ドラム焙煎器の、「直火式」から「半熱風式」への自作改造の様子を紹介していきます。

結論先に言っちゃうと、改造により味は劇的に良くなりましたよ^^!

改造前の網ドラム焙煎器

改造前の手回しドラム焙煎器はこんな感じ。

アマゾンで5千円くらいで購入、10分程度でパーツを組み立てて使えるものです。

ドラムにメッシュの蓋が付いているので、そこから豆の投入・取り出しを行います。

ドラム位置は5段階で高さ調整が出来き、生豆375gくらいまで投入しても焼きムラなく仕上がります。

チャフはメッシュから落ちてガス火で焼失するかガスレンジ上に積もっていきます。

チャフが火の粉になり積もったチャフに落ちて引火する事もあるので注意が必要です。

あと、念のため・・・冬場などフリースを着たままの焙煎は絶対にNGです。

ガス火の熱や火の粉の影響でフリースが一瞬で炎が広がる「表面フラッシュ現象」となる可能性があり、命の危険に直結します。

 

さて、ここからが本題ですが、この網ドラム焙煎では水分抜きの段階から煎り止めまで、水分や豆内部の成分がドラム外に常時放出され続けます。

様々な豆で焙煎を行い香味チェックしましたが、コクや甘みといった香味が薄く豆の個性が引き出せていない印象。

それは、ブラジル、グアテマラ、エチオピア、パプアニューギニア産など、どのような産地・品種でも同様に「抜けた香味」という感想です。

恐らくドラムがメッシュではなく鉄板にパンチ穴が開いているタイプであれば、まだ香味を引き出しやすいのかとは思いますが。

そこで、深い香味を引き出せるように、側面以外に穴のない半熱風式の焙煎器への改造を行いました。

改造後の半熱風式ドラム焙煎器

半熱風式の焙煎への改造方法ですが、メッシュの内側に金属板を入れるだけの簡単な改造にしました。

ホームセンターで購入できる金属板の種類は、鉄、アルミニウム、銅、真鍮などもありますが、加工しやすく比較的耐火温度の高いステンレス製の板を購入。

空焚き放置しなければ耐火温度を超すことはないと思いますが、ガス火が平均1000℃くらいと思うと、銅・真鍮・アルミだと不安です。

念には念をと思いステンレスを選択。

耐火温度(溶融温度)の目安

鉄    :1538℃
ステンレス:1400℃(配合で変化)
銅    :1085℃
真鍮   :800℃(配合で変化)
アルミニウム:660℃

板があまり薄すぎると熱をキープしにくくなるので、曲げたりハサミで切りやすい0.3mmのステンレス板を選びました。

メジャーでドラムを採寸してステンレス板を金切りばさみでチョキチョキ。

切った板をドラムのカーブに合わせて曲げて内側にピタッと差し込みます。

豆を投入する蓋の部分にも同様の加工をします。

側面に5mmずつくらい隙間ができていますが許容範囲ということで。

こんな感じでメッシュ部分がステンレス板で塞がりました。完成です。

これで穴だらけのメッシュではなく、適度に閉ざされた空間での焙煎が出来るようになりました。

改造後は何度もテスト検証してみました。

個人的に感じた改造によるメリットとデメリットをあげておきたいと思います。

メリット

コクや甘み、香りにしっかりとした深みが出るようになった。

・焙煎条件(火力、回転数、ドラムの高さ等)も、改造前と同じ条件でOK。

・チャフがほぼ落ちず後掃除がラク。

デメリット

・豆色の変化は側面パンチ穴から僅かにしか確認出来ない。

・豆色の変化に応じた火力調整がスピーディーに出来ない。

改造前はメッシュからドラム内の豆色の変化を確認できましたが、改造後は豆色が確認しにくいです。

ですので色変化・ゴールドポイントを確認して焙煎序盤に火力修正をスピーディーに行う事が難しいです。

「匂い」「音」「煙」の変化に、より深く集中して焙煎しなければなりません。

しかし、とにかく一番大切な「香味」が改善されて大満足です。

さいごに

という事で今回は網ドラム焙煎器の改造を紹介してみました。

もし手回しのドラム焙煎器を持っているけど、なんだか香味に満足できない・・・という方は、こんな感じで改造してみて下さい。

それではまた☆彡