こんにちはサトです、今日はどんな色のコーヒーを楽しんでいますか?
80%が砂漠地帯の中東アラビア半島では、私たちがイメージするコーヒーとは色も香りも全く異なるコーヒーが飲まれています。
今回は湾岸アラブ諸国(サウジアラビア、カタール、バーレーン、アラブ首長国連邦、クウェート、オマーンなど)で飲まれている伝統的な琥珀色のコーヒー「アラビックコーヒー」を紹介したいと思います。
アラビックコーヒーってどんなコーヒー?
アラビックコーヒー(カフワ:Qahwa)は、日本や欧米で飲まれているような通常のコーヒーとは色も味も全く違います。
まず、コーヒーの味はしません!全く別物の飲み物です!笑
コーヒー豆は肌色のような浅煎りのものを使いますが、カルダモンのスーッとしたシャープな香りがメインの薬膳茶のような神秘的な風味。
抽出方法も透過法(ドリップ)や浸漬法ではなく、小さな鍋(イブリック)に水とコーヒーの粉やスパイスを投入し10~30分グツグツ煮出して作ります。
湾岸アラブ諸国ではアラビックコーヒーは来客時や現地ホテルロビーのおもてなしの際に振る舞われ、その文化的な背景も含めた魅力の詰まったコーヒーです。
コーヒーのお供
湾岸アラブ諸国では、来客時にアラビックコーヒーとデーツ(フルーツ)でおもてなしをする文化が根付いており、家庭や砂漠上であろうがアラビックコーヒーを振る舞う際は必ずデーツが出てきます。
このデーツはナツメヤシの実で、中東・アフリカ諸国では日常的にデーツを食べる習慣があるそうです。
高カロリーでビタミンやミネラルが豊富で、イスラム教の聖典コーランでもデーツは「神の与えた食べ物」とされ、イスラム教徒が約1ヶ月に及ぶラマダン(断食月)明けに、最初に口にして栄養を補う食べ物でもあるそうです。
デーツ(ドライフルーツ)の味ですが、果肉はトロっと軟らかく甘味がとっても強くて美味しく、小さな一粒でも満足感が得られるフルーツですよ^^!
アラビックコーヒーの作り方
家で手軽に作れるアラビックコーヒーの現地レシピです。
アラビックコーヒーは家庭の味でもあるので、カルダモンだけを使用することもあれば、クローブやショウガなど複数のスパイスを組み合わせる等アレンジがあります。
材料(2人分)
- 水250ml
- コーヒー豆(浅煎り)5g
- グリーンカルダモン2.5g
- クローブ1本
- サフラン数本(ごく少量でOK)
- デーツ(お茶請け)
作り方
- コーヒー豆を浅煎りで焙煎する(市販の浅煎り豆でOK)
- 小鍋に250mlの水を入れて温める
- お湯が沸いたら、粉砕したコーヒーとグリーンカルダモンなどを加える
- とろ火で30分ほど煮込む
- 小さいカップに注いで、デーツと共に楽しむ。
カルダモンは粗く粉砕します。もし電動ミキサーを使用する場合は皮ごと粉にしてOKです。
使用する豆ですが現地ではイエメンやエチオピア産のものが多いようです。当店の豆であればイエメン・モカマタリがおススメです^^
下の写真が、実際に作ってみたアラビックコーヒーで、左側の茶色の2粒がデーツ。
デーツはカルディや成城石井などで100gあたり300円前後で入手可能です。
一口で飲みきれるほどの量を小さなカップで楽しみます。
お客様から「もういいです、ごちそうさまでした」の合図があるまで、お代わりを注ぎ続けるのが現地のおもてなしスタイルです。
ちなみに、エチオピアのコーヒーセレモニーと同様に、おもてなしの際は乳香(お香)を焚きます。
コーヒーだけではなくお客様に待っていただいている間も、香りでひとときを楽しんで頂くわけです^^☆彡
さいごに
今回紹介したアラビックコーヒーは、その香りや味わいが日本の一般的なコーヒーとは全く異なり、異国情緒たっぷりの飲み物です。
まだ知らないコーヒーの世界をぜひ一度、試してみてください。
コーヒールンバの歌詞に出てくるような「しびれるような香りいっぱいの琥珀色した飲み物」が、きっとあなたを新たな冒険へ誘うことでしょう。
それではまた^^!